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【パジェッレ】セリエA第9節:ローマ0-0ナポリ

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今節は総評が長めなので個々の採点は短めにしています。最後まで読んで頂けると嬉しいです。


・Rui Patricio 6.0

守備陣の奮闘もあり頻繁に危険なシュートを浴びる事も無く試合を終えた感じ。とは言え無失点で良かった。

・Karsdorp 6.5

ゆっくり走り続けるよりもスプリントをコマメにかける方が余程大変なので、スタミナ面での強みが生きた。流れの中で難しそうなアーリークロスは蹴れるのに、未だに一旦ボールを収めてからのクロスや楔のパスがイマイチなのが改善されれば本当に欧州屈指のSBになれるのでは。

・Mancini 7.0

一番危険な場面でしっかりと身体を入れられていた。攻撃面でもゴールに近づく働きも出来ており、CBとしてこれ以上の活躍は無いのではないか。

・Ibanez 7.0

俊足がエリア内で実に生きていた。Osimhenに終始仕事をさせずに済んだのは彼のカバーリング能力と対人戦への粘り強さが大きく貢献している。本当に良かった。

“ノルウェーでの悪夢を見た唯一のスターターで(実際にはRui Patricioもいた)、試合開始1分からピッチで仕事に戻り、以降休息無しで戦い抜いた。常に細心の注意を払い、タイミングよく守備の先回りをし、Mancioと力を合わせしてゴールエリアを死守した。” (by Il Romanista)

・Vina 6.0

前節に比べると攻撃面での活躍は無かったが、左サイドで安定したプレーが出来ていた。Politanoに仕事をさせずDi Lorenzoにも大きなチャンスを作らせなかった。

・Cristante 7.0

野球で言うなれば「走攻守の三拍子揃った選手」といった感じで、これまでも過剰労働気味ではあったが今節も指示によく走り良く守った。Roma側の数少ない決定機も彼のスルーパスからで、ミドルレンジからのシュートもありと大活躍が過ぎる。

“彼は頭脳を使ってチームを救っているという意味ではBryanでは無くBrainと言えるであろう。上手にボールを捏ねくり回し、転がしてパスを繋いだ。素晴らしい” (by Leggo)

・Veretout 6.0

Cristante程の活躍は無かったが、それでも中盤のフィルターと攻撃への繋ぎとして十分に機能していた。Anguissaがさほど目立った活躍が無かったのは、彼の目が行き届いていた為でもある。

・Zaniolo 6.5

流石に終盤はバテ気味で守備に動けない場面もあったが、それでも何時ぶりだか分からないフル出場で1試合を通してハイプレスと右サイドをぶち抜く活躍が出来ていた。徐々にMkhitaryan要素が追加されている気がする。

・Pellegrini 6.0

普段通りの攻撃面での活躍はかなわなかったが、ポジティブトランジションにおける潤滑剤となっていた。敵としても彼を自由にさせる訳にもいかなかったのもあるはずで、両チームの思惑も噛み合いF.Ruizとお互いに監視しあう関係になった。

・Mkhitaryan 5.5

各紙厳しめの評価が多かった。確かに彼らしくない場面も多くチャンスをふいにしてしまう場面もあったが、そもそも守備と攻撃と夫々の切り替えでのタスクが多い気もしたので、精彩を欠いてしまうのも止む無しか。

・Abraham 6.0

数少ない決定機ではあったもののその1回のシュートが枠外に外れてしまったのは実に悔やまれる。身長もある分放り込みたくもなるが、身体の強さとアジリティーを兼ね備えておりシンプルに縦にエリアに侵入させた方が効果的な気がする。いつもの試合より大分積極的にプレスを掛けてはいたが、Koulibalyを後ろからゆるゆると追いかけてズルズルとビルドアップさせるくらいなら前で張っていて貰っていい感じです。はい。

・El Shaarawy 6.0

最早ベテラン組に片足突っ込んでいるが、常に試合に出る準備が出来ているのは有難い。Zanioloのようにスピードとパワーでゴリゴリと持ち上がることは出来ないが、テクニックは健在で、Vinaとの関係性が構築出来て来たのかテンポよく左サイドを攻めることが出来ていた。

・Shomurodov 6.0

Zanioloがバテたタイミングで前線における運動量を補填してくれた。正直へそを曲げてもおかしくない起用方法だと思うが、それでも懸命にボールを追い続ける姿はとても心打たれるものがあり、早く結果に出て欲しい。

・Mourinho 6.0

好調Napoliに対して良い試合をしてのドローは素直に評価されるべき点かと思う。この試合単体で見れば見事と言う外ないのだが、1stチームに発破をかける為に行ったカンフル剤としての懲罰的な措置、これまで以上にインテンシティの高い戦い方、El ShaarawyとShomurodov、Carles Perez以外の選手をほぼバックアップとしてカウントして出来無い状況では、シーズンを通して戦い抜くのは難しい事は火を見るより明らかなので、金属疲労で折れてしまう選手が出てくるのは明らか。試合と普段の試合を通じたベンチメンバーの適応を加速することが喫緊の課題か。何よりもRomaにいる全ての選手に幸せになって欲しいじゃない。

総評

暗く冷たい北での連敗を受けて臨んだ太陽のダービーは、その名に恥じぬ清々しく内容の濃いスコアレスドローに終わった。本当にどっちに転んでもおかしくない試合展開で、Napoliの全勝を一応止めたのは今後チームに自信をもたらすであろう。
Napoliの攻撃の最終局面の作り方は攻撃ユニットを5人で考えるという点で少しRomaとも似ていて、この攻撃手法の中での特にカギとなるのは、今シーズン絶好調で最悪一人で何とか出来てしまうOsimhenと、基本的には中盤の底を守りつつも強力な飛び道具となりうるF.Ruiz、そしてNapoliが5人の攻撃ユニットを作る際に必要なSBの攻撃参加の形が既に出来上がっているM.Ruiの3人である。
RomaとしてはOsimhenへの正確な楔のパスやロングフィードを消すために、Pellegriniを普段より低い位置でF.Ruizをケアさせつつ、全体として普段よりも高い位置でのインテシティの高いプレッシングを仕掛けた。加えて特に今節特徴的であったのは自陣から組み立てやカウンター時の両SBの使い方で、これによりM.Ruiの攻撃参加を抑えており、VinaとKarsdorpには絶妙なバランス感覚が求められていたに違いない。

具体的には今節のRomaは「左サイドから組み立て→中盤を経由し→右サイドにフィニッシュを持って行く」と言う形が多く、これは意図的なものと考えられる。この形を作る上で組み立て
段階にRomaの左サイドではVinaとMkhitaryanをほぼ同じくらいの高さで距離を近くし、細かなパスワークで仕掛けへの推進力を持たせ、逆サイドではZanioloにはフィニッシュに向けて早い段階で受け手として上がらせつつ、Karsdorpは組み立て段階でボールロストした際のM.Ruiの進行を防ぐ為の保険として低い位置を取らせてZanioloと距離感を作った。そこから中盤への経由または右サイドへの展開が見えてきた段階で、Vinaは後方支援に回り、逆にKarsdorpはZanioloのサポートに全速力で向かい、右サイドからアシスト又はシュートにまで持って行くというのが今節目指していた理想的な形であったはずだ。非保持時にもZanioloが積極的にRomaの右サイドでプレスを行っていたこともあり、M.Ruiを極力守備に割かせることが可能となっていた。

試合中盤まではM.Ruiを上手く抑え込みつつ、敵の中央からの攻撃に対してはCristanteを中心に攻撃を摘み取ることで試合を優位に進めたが、後半Insigneがより内側に入り1.5列目のように振る舞うことでより中央に活路を見出したNapoliが押す展開となった。この様な敵に合わせた戦い方の修正や局面に合わせた戦い方の修正が何ともSerie Aらしく、また名将同士の激突らしく見応えのある試合ではあったものの、暫く勝利から遠ざかっているので次節はインターバルも短いが勝利を手にして欲しいものだ。


採点者:くわしん

小学生の頃にバティストゥータに憧れ、丁度その時ローマに中田がやって来た為にローマに触れる機会が多くなりロマニスタに。好きな現役選手はDiawara。思い出の試合は2012年にオリンピコで観戦したコッパ・イタリア決勝でのラツィオへの敗戦。大学時代にF1のコースエンジニアを目指してイタリアに留学。イタリアにおける高卒認定相当の資格を持っている。好きな選手のタイプは稲場愛香みたいなタイプ。

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