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【ほぼ全文掲載】ピントGM、ローマの冬の移籍市場について語る

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誰もがチアゴ・ピントGMのメルカート技法を懐疑的な目で見ていた。センシファミリーを支えたダニエレ・プラデ、アメリカンローマで驚きの補強をし続けたワルテル・サバティーニ、そして、その弟子のリッキー・マッサーラ、短命だったが現在のチームの礎を築いたジャンルカ・ペトラーキ、こういったスポーツディレクターの芸術性がローマをローマたらしめていた。しかし、現在メルカートの最高責任者であるピントGMはメルカートの目利き人ではない。彼はダイヤの原石を求めて世界中のスタジアムに足を運ぶ事もなく、トリゴリアに届く売り込みのビデオをチェックするわけでもない。それなのに、彼は夏に40件以上の移籍を捌き切り、この冬には、わずか10日でメイトランド=ナイルズとセルジオ・オリヴェイラをレンタルで獲得する離れ業をやってのけたのである。そして、もっとも驚くべきは、彼はスポーツディレクターではないということだろう。

今回のローマ速報では、ピントGMがどのように移籍市場にアプローチしたのか?昨日フルビオ・ベルナルディーニのプレスセンターで行われた記者会見の模様をお伝えしたい。


聞きたいことはたくさんあります。まず今回のメルカートをどのように評価しますか?この一ヵ月で報道されなかったエピソードがあれば教えてください。また、他のクラブからの最も大きなオファーはどのようなものでしたか?

ピントGM「私自身、公の場で多くを語る人間ではありませんが、こういった記者会見を開けることをとてもうれしく思います。ただし、市場の評価に関しては、前回の記者会見でも同様の質問に答えましたが、それが意図しない誤解を与えてしまったことから、もうその必要はないと考えています。おそらく明日になれば、ローマの移籍に関しては、誰かの評価を新聞で読むことができるでしょう。過去3回のメルカートでは、最高の選手を維持することができました。そして、もうひとつの質問に関しては、メルカートは常に水面下で進行しており、様々な事が起こり得るものです。ですが、それらを今話そうとは思いません。メルカート最後の数日で私は多くの代理人、ディレクターの熱量を見て本当に感嘆しました。いつかは話すかもしれませんが、それは今すぐではないでしょうね」

確かに今おっしゃられたように過去3回のメルカートで大きな売却はありませんでした。しかし、ザニオーロの契約が2024年に終わることから彼との契約更新は優先度の高い仕事になると思います。

ピントGM「夏にも同じ質問を受けたことを覚えています。その時は6,7名の選手とも更新の話をする必要があった。しかし今は違う。今こそ集団で戦う時期であり、チームの結果に集中して、チームと監督の目標達成の手助けをするときです。少なくとも移籍や契約更改の話をしている場合ではありません。ローマは残り4ヵ月、3つの大会を戦います。チームとして、家族として、すべてを出し切ることを考えなればならない。それ次第で良いシーズンになる可能性を残しているのです」

チャンピオンズリーグに出場するクラブとの差は縮まったのでしょうか?

ピントGM「1月のメルカートは特殊です。チームに欠けているものを見極め、どのような選手を連れてきたらそれを改善できるのか、11月末から12月頭で、監督やスカウトと一緒に検討しました。そして、どのような選手が必要かをすぐに理解して、素早く市場にアプローチすることができた。エインズリー・メイトランド=ナイルズとセルジオ・オリヴェイラは加入してすぐにチームを向上させてくれた。それはモウリーニョ監督も話している通りだと思う」

この二人を完全移籍で獲得したいと考えているのでしょうか?

ピントGM「夏の話をするのはまだ早いでしょうね」

キャッシュフローの問題は解決しますか?

ピントGM「このプロジェクトの良いところは、全員の仕事の足並みが揃っていることです。監督はオーケストラの指揮者で、私たちは全員彼を頼りにします。私たちの仕事は財務面、戦略面、競技面を一体化させることです。オーナーは経済的にもクラブ強化のための正しい仕事を続けています。将来への不安はありません」

優れた選手を売却しないという方針は貫くのでしょうか?

ピントGM「面白い質問ですね。売却しないという方針ではなく、チームを向上するためにそれらを選択します。誰を売却しても、購入しても、結果としてチームを向上するためでなくてはならないのです」

ローマのメルカートで売却と獲得どちらを高く評価しますか?

ピントGM「評価はしませんが、獲得については、早い段階ですべてに対処することができました。放出は…そうですね、例えば選手がプレーしていない場合、移籍させる目的は3つあります。ひとつはチーム規模を縮小すること。これにより使える選手の数は減りますが、チームの結束は強まります。次に選手が自身の価値を高めることができるように適切な環境を見つけてあげること。そして3つ目は購入した選手とのバランスを取ることです。個人的にはこのポイントに沿って選手に移籍先を探す事ができたと思います。もちろん、もっと異なる方法もあったのでしょうが、概ね満足はしていますね」

ディアワラの売却が進まずに3人目を獲得できなかったという噂は事実でしょうか?またこの冬に多くの名前の挙がりました。カマラ、グリリッチ、ザカリア、ジャカ、ナンデス、ダニーロ、ジョアン・モウティーニョ、最も加入に近づいたのは誰でしたか?

ピントGM「ディアワラの存在は誰の加入もブロックはしていない。移籍は結婚と同じで、当事者全員が望めば物事が上手くいくことがあるのです。ディアワラのせいで3人目が獲得できなかったという噂は事実ではありません。1月12日にオリヴェイラを獲得して、みんなで獲得に関しては一息ついたと話をしました。もちろん100%終わったとは言えません。しかし、基本的には終了した共通認識を持っていた。ですが、私たちがそう言った後も、先ほど名前を挙げた選手たち、カマラ、グリリッチ、ジャカ、ナンデス、ダニーロ、ジョアン・モウティーニョの噂が流れていた。おそらくは、SNS上でのジョークがニュースになったのだと思いますが、名前の挙がった彼らはカマラも含めてすべてフェイクニュースです。誰とも実際の交渉は存在しません。カマラについては何があったのかいつか説明するかもしれませんが、今は不可能です。私は傲慢にならずに自分の考えを伝えたいと考えていますが、これまで名前の挙がった誰とも交渉をしたことはありません。それでも、彼らが来なければ、みなさんはそれをローマが取引に失敗したのだと言う。断固否定しているにも関わらずです。もう私たちにはどうにもできない」

ザガリアもフェイクニュースだったのでしょうか?

ピントGM「私は彼の名前だけを口にしませんでした。それは私が常にあなた方に真実を伝えようとしている誠意です。このケースは他とは異なります。移籍が成立しない理由には…選手の決断に影響を与える多くの要因が存在する。ユヴェントスに移籍したザガリアについて具体的な話は避けますが、彼は間違いなくうちのスカウティングがリストアップしていた選手でした。獲得できなかった私は無能かもしれないが、スカウトは優れた仕事をしてくれました」

タミー・エイブラハムについてお伺いします。チェルシーとの契約に買戻し条項が存在するという噂は本当なのでしょうか?事実であれば買戻しを心配していますか?

ピントGM「その条項は存在します。2023年に有効になるオプションですが、私はそれを心配はしていませんね。彼はローマで地位を確立しています。個人でもチームとしてももっと良くなれる。強くなれる。エイブラハムのイタリアの初年度は上出来です。チェルシーの買戻しについては心配はしていません」

あなたが契約する選手を評価する手段は、統計といったアルゴリズムがメインなのでしょうか?

ピントGM「まずアルゴリズムに関して、どのようにそのアイデアが生まれたのか理解する必要があるでしょうね。これまでの移籍では選手を見誤る可能性が高かった。せっかく高額で購入したのに、使っても使ってもクオリティが上がらないがお金は掛かる、そんな状況です。そのリスクを減らすためにスカウトは膨大な労力を費やします。アルゴリズムはその為に存在しているのです。ですが、アルゴリズムを論拠にして選手を獲得したことは一度もありません。エルシャーラウィやルイ・パトリシオを連れてくるのにアルゴリズムを必要とするのでしょうか?そんなことはありません。レイノルズ?それは見当違いの選択でした。ですが、正しい選択をするためにはできるだけ多くの情報を握る必要があります。アルゴリズムが誰を獲得しろとは言いませんが、モウリーニョの仕事にとっても統計データは重要です。試合解析、GPS、最近ではコーチスタッフも増えています。それでうまくいかなかったからアルゴリズムのせいだとは言えません。その最終的な責任はあくまで私たちにあるのです」

ユヴェントスがヴラホヴィッチと契約できたのはクルゼフスキとベンタンクールを売却できたことが要因として大きいと考えられています。それはクラブ間の信頼関係があったからこそで、一方ローマでも同じような関係のクラブはあるのでしょうか?あなたはベンフィカで働いていましたが、ローマで同じ仕事は難しいのでしょうか?

ピントGM「あなたが挙げた例に対して、別の例で答えることができると思います。私がローマに来た時、パウ・ロペスはベンチに座っていた。申し訳ないが市場価値は0ユーロだった。しかし、マルセイユに移籍すると、かつてミランテにベンチに追いやられた男は1200万ユーロの価値になりました。ウンデルも同様で、英国で200分しかプレーしませんでしたが、その後彼に見合うクラブに行き、ローマに840万ユーロをもたらした。また2年前はほとんどプレーチャンスがなかった選手たち、チョリッチ、ビアンダ、またはニースで頑張っているクライファートについても言及できる。お金は後からついてくるものです。あなたの言う人間関係が何を指すのかは私には判りません。ですが、私は知っているクラブ、そうでないクラブすべてとコンタクトを取ります。私は代理人よりもクラブとの関係を優先する人間としてとして知られています。私個人と話をしたくなくても、ローマはビッグクラブですから、クラブとして交渉すれば誰もが話を聞かざる得ないのです」

イエス、ノーで構いません。ザニオーロは来季もローマに残りますか?

ピントGM「彼についても、他の選手についても保証はできない」

過去2度のメルカートでローマはレジスタを獲得していません。それが次の夏のメインミッションなのでしょうか?

ピントGM「夏のメルカートはまだ先の話です。そして、移籍市場が終わった後が私たちの本当の仕事なのです。つまり、全員がピッチに集中する必要がある。全員が向上しなければならない場所です。先ほど私はモウリーニョをチームの指揮者と言いました。その例えで言うならば、オーケストラに新しい音楽家を連れてきたのだから、次は音楽家同士が理解を深め、ロマニスタたちにふさわしいシンフォニーを提供しなければならない段階なのです」

<了>

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